あなたはもう一度謎を解いた結果、導き出された最終解答「そうぞう」を書き、提出した。
どうやらステージが開催されなかったのは、必要だった「CD」が物品室から紛失したことによるものだったようだ。
副会長が記した3年1組へのメモの内容で、本来は“くろい皿”を準備しておいた欲しかったところを、1組の生徒が読み間違いをしてしまったことで、“しろい皿”を物品室から持って行ったことがきっかけとなったのだろう。
これによって、そのあとに続く2組、3組、4組と、まるでドミノ倒しになるように誤ったものを物品室から持って行ってしまい、結果的に4組の生徒がステージの開催に必要である「CD」を持って行ってしまっていたのだ。
これらの推測を生徒会長に伝えた私は、4組の『ステキな射的』で倒して獲得していたCDをその場で会長に渡した。
そんなことが起きていたとは…。
確かに、これはステージで使うCDのようです!ありがとうございます、これで何とかなりそうです!
そのあと、生徒会の役員が総出で、謎解きのパンフレットを持っている参加者に声をかけて、CDの回収に向かっていった。
一安心したあなたは、それからしばらく『カフェ「彩-irodori-」』でラテアートと創作ケーキを楽しんだ。
すると、突如校内放送が流れてきた。
集友祭に参加者の皆様、大変お待たせしました!!
これから、ステージでのライブイベントを開催します!
是非、ステージまでお越しください!
ついにこの時が来た!私も急いでステージへと向かった。
到着する頃には、客席にはすでに大勢の参加者がいた。
さすがは地域のラジオでも放送される、求栄高校集友祭のライブイベントだ。
そして、とうとうライブが始まった!
女子バンドの演奏から始まるステージ。
弾ける音と輝いた表情で、客席も大盛り上がりのスタートだ。
司会者である学生によるトークでは、およそ高校生徒は思えないような饒舌とジョークで、ステージの開演が遅くなったことすら笑いに変えて、客席を一層盛り上げた。
その後も、ダンス、太鼓の演奏と様々な演目が続いた。
そして、とうとう最後の演目となった。
2人の男子学生によるギターとピアノの演奏で閉幕となった。
今年も大熱狂のステージとなった。
最後に、生徒会長がステージの中央へと向かい、参加者である私たちへと話し始めた。
ここまで参加してくださった皆様、ありがとうございました。
今回の文化祭では、模擬店を使った謎解きを仕掛けていました。なぜそんなことをしたのか?
それは、これが最後となる3年生の模擬店を通して、キーワードという形で伝えたいことがあったからです。
未熟な私たちには、様々な“苦悩”や苦難があります。
それでも、この学校で“出会い”を果たした仲間との“友情”をもとに、ちゃんと“真ん中”から向き合おうと、もがいています。
そんな私たちだからこそ、この文化祭をやりとげることが出来たのだと思います。私たちは、ここからも“創造”し続けますので、どうか応援をお願いします!
参加してくださった皆様、ありがとうございました!
深々とおじぎをした生徒会長は、少し間を開けて続けた。
そしてあともう一人、この文化祭を創り上げるのに欠かせない人がいました。
謎解きを通して、ステージを中止の危機から救ってくれた方です。
この中にいますよね。改めて感謝を伝えさせてください。本当にありがとうございました!
今年もこのステージは地域のラジオで放送されており、地元の新聞やニュースでも『求栄高校文化祭の真の謎を解決した謎の人物』として小さく取り上げられていた。
私の名前が出ることはなかったが、“想像”力豊かな彼らの心に残る人物には、もしかするとなれたのかもしれない。
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