切り取った布をあれこれと組み合わせることで、やっとの思いで完成の型が見えてきました。これを実際に裁縫せずに頭の中で完成させてしまった姉の才能には、改めて敬服します。切り取った布を縫い合わせる前に、姉の部屋にあった辞典を使い、組み合わせた時に現れた4文字の言葉の意味を調べてみました。

「好き」という意味をもつ言葉の様でした。

やはりお相手も姉に好意を抱かれていたのでしょう。ですがもう少し言葉の意味を調べてみると、なぜでしょう。なにか違和感を覚えたのです。あまり熱意のある意味を持つ言葉の様には感じられませんでしたので。

どうしてわざわざこのように手間のかかる方法で、こういった言葉を伝えたいとと思われたのでしょうか。

どこか腑に落ちない心持ちで部屋の整理をすすめていると、机の引き出しの中から、宛名にお相手の名前が書かれた手紙が出てきたではありませんか。

姉が亡くなったのは、東京での会に出向かれた時のことでした。突然、これまでに類を見ないほどの大地震に襲われたのです。別れの言葉を告げることもなく、この世を去ってしまいました。同じ場所にいたお相手も同様に命を落とされたようでした。

この手紙も書かれただけとなってしまい、お相手の目に触れることがない、行き場のない物になってしまったということでしょう。 本来であれば他の方へ向けられて書いた手紙を勝手に開けて読むことなど、許されることではありません。ですが、どこに行く当てもなくなってしまったこの手紙に、尊敬する姉の最期の気持ちを知る手がかりがあるように感じました。姉への想いに片を付けるには、先ほど抱いた違和感を解消しなくてはいけないと感じ、もう一度姉に深々と礼をして手紙を読ませていただくことにしました。

拝啓 三輪靖 様

 お手紙を下さりありがとうございます。お気持ちを伝えてくださったことをとてもうれしく思います。

 ですが、あなたがお伝えしてくださったお気持ちには、どこか本心ではないような、濁りが含まれているようにも感じられたのです。『バード』の完成形を想像してみましたが、本当にあなたのお気持ちが隠されていたのでしょうか。

 『バード』が答えになる問題は、一部が後から書き加えられたように感じられました。書き加える前の問題に、本当のあなた様のお気持ちが隠されているのではないでしょうか?

 頂いた布を、一度お返し致します。今度は私からの刺繍も少しだけ加えております。その上で、遊びの手順を付け加えさせてください。

 これを付け加えて、あなたが本当に私に作って欲しかった作品を作ってみてください。靖様と私との気持ちは同じだということが、二つの言葉で指し示されることでしょう。


私の方が顔を赤らめてしまうような積極的な文面でしたが、最期の姉の気持ちを知るために、もう一度手紙に目を向けました。そして心を落ち着かせて、姉とお相手の気持ちを確かめる為に、もう一度先ほどの布を手に取ることにしました。


解答を入力

導かれる二つの言葉とは…?

※答えは大文字のアルファベットで入力してください。


ヒントは以下に記載しています。


何をしたらいいのかが分からない

姉の手紙を読んでみましょう。「『バード』が答えになる問題は、一部が後から書き加えられたように感じられました。」と書かれています。どの部分を見てそう感じたのかを考えてみましょう。

『ザル→サル』の文字をよく見ると、手紙の中に同じ書体の文字があることが分かります。また、謎の答えの『バード』と記入した枠をよく見ると、手書きのような崩れた枠であることが分かります。これらが後で書き加えられたものだとすると…?


姉が付け加えた手順の答えが分からない

姉が付け加えた手順を見ると、『ライト・ヘビーの問題』で使われている矢印と同じものが使われています。

ここで使われている矢印には、矢印の前に書かれた文字を“反対の意味にする”法則がありました。これにのっとり、姉がどんな手順を付け加えたのかを考えましょう。

矢印の前の右の枠は「ぶらっく」を、左の枠は「うえから」を意味していました。それぞれの言葉を反対の意味にしてみましょう。

本来の手紙では『ハート』を作り、姉が付け加えた手順によって『ホワイト』の矢印の先を『上から』読むとよいことが分かります。


正しい作品を手元で実際に作ることができない

まずは『ハート』が何かを突き止める必要があります。お相手からのステンドグラスの作品を確認してみましょう。

九つの欠片を使ってステンドグラスの「ハート」を作る際に、よく見ると、緑、橙、水色のサークルは大きく、紫色のサークルは小さく記されています。

一部は下図のようになります。

さらに、一部は下図のようになります。

答え:LOVE/KOI
(解説:九つの欠片を使って「ハート」を作ると、下図のようになります。)

お相手からの指示通り、ブラック(黒色)の矢印を上から読むと、LOVEが示されており、姉からの指示通りホワイト(白)の矢印を下から読むと、KOI(恋)が示されています。
※平行四辺形の欠片は、反転して用いた場合でも同じ答えになるため、どちらの向きで配置しても問題ありません。


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