僕は、ダンテ宝石店で買った「ジェネシス」が白色でないことに気付いた。これは何だ、と思いつつ、「夜に私の机を5回ノックせよ。」というメモを家で見つけたことをふと思い出した。

すると、隠された仕掛けがあったのか、様々な紙や写真を手に入れることが出来た。

その中に、石板の写真があった。これまで読んできた記号をつないで読んでみると、


『ジェネシスはサイラスの下に隠した』


という文章であることが分かった。

僕は急いでサイラスの鉱山へ走った後、サイラスの下に埋められているジェネシスを見つけた。


「ようやく見つけたぞ…!!」


それから僕は、「ジェネシス」を国王に持って行くため、急いで王宮に向かって走った。

…とその時ふと、”今日クリスタにプロポーズしようとしていたこと”を思い出した。父が机の中に遺していた物品から、「ダンテ宝石店で宝石を買うためのルール」を知った僕は、ルビーの指輪を手放し、オパールの指輪を2つ買った。


「これでプロポーズの準備も出来た。あとは国王に『ジェネシス』を渡すだけだ!」


謁見の間に入ると、そこには痺れを切らした国王ドミニクが待っていた。


「…もう夜だぞ。さあ、持って来た『ジェネシス』を見せよ。」


僕は手に握った、白い宝石を国王に渡した。


「………」


少しの沈黙の後、国王はゆっくりと口を開いた。


「確かに『ジェネシス』を受け取った。1日でこれを持って来ることが出来るとは、それほど本気だということか…。」

それから一呼吸置き、

「…仕方がない、約束だ。クリスタとの仲を認めよう。」


そう言うと、少し微笑んだ国王は、宝石を臣下に手渡した。


「この宝石を持って来るように頼んだのには、実は理由があった。
クリスタの母、つまり私の妻は、クリスタが8歳の頃に亡くなった。妻は亡くなる直前、私に最後の願いを言った。それは、『ジェネシス』という宝石を一目見てみたい、ということだった。
すぐに妻が亡くなるとは思ってもいなかった私は、『また今度用意する』と言い、仕事に戻った。そのせいで、願いを叶えてやることは出来なかった…。願いを言ってから亡くなるまで、たった1日のことだった。
クリスタとお前との仲を知った私は、その時のことを思い出し、試したかったのだ。私と同じ”たった1日”という期限で、全力を尽くすことが出来るのかを。」


さらに続けた。


「私が出来なかったことを、押し付けてしまったのは謝ろう。すまなかったな。
…さて、クリスタは、今日ずっとお前のことを庭で待っていた。急いで迎えに行ってやると良い。」


そして、国王は謁見の間を去って行った。

僕は、クリスタが待っている、あの庭へと向かった。

すると、そこにはクリスタが立っていた。

僕はクリスタを抱きしめた。


「ブルーノ…。どうか、お父様のわがままを許して。きっと、お母様が亡くなってからずっと、私を手放すのが怖かったのよ。」


僕は、もちろんだよ、とつぶやいた。抱きしめた腕をそっと下ろすと、彼女の前にひざまずき、オパールの指輪を彼女に差し出した。


「クリスタ、僕と結婚して下さい。」


彼女は一瞬、ドキリとした顔をした。しかし、すぐに目から涙をあふれさせながら、


「いいわよ。」


と、あの時と同じ、何ともあっさりした返事であった。

今思うと子どもの頃、彼女に差し出したルビーの指輪が結んでくれた、”運命の赤い糸”だったのかもしれない。


そして、1年後。

僕たちの結婚式は、国民中から祝福され、ジュエリーラッシュ以来とも言われる大きなニュースになるのだった。

…ちなみに。僕が開けた鉱山の扉だが、父の願い通り、残りの宝石は封印しておくことにした。必要な資料は焼き、その後誰も開けることはなかったのであった。

HAPPY END


あなたは、「僕と王女の残された一日」での最も良いエンディングを迎えることが出来ました。
ですが、もしもエンディングで別の行動を行いたい場合は、やり直すことが出来ます。ただし、ここまでの行動をリセットすることは出来ません

※エンディングのカード(「YOUR ENDING IS…」と書かれたカード)は手に入れることが出来ませんが、”最後のキーワード”はお伝えすることが出来ます。そちらをゲームページに入力して頂くことで、別の行動をした場合のエンディングを見ることが出来ます。

※エンディングのカードは、表面のみ写真を撮ってSNSやブログ等にアップすることが出来ます。是非、ハッシュタグ「#残された一日」をお使い下さい。ただし、「エンディングに分岐があった」ということを明示的に書くことはお控え下さい。

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